森の中の映画館。

不定期に映画の感想記事を投稿します。

映画【IT/イット"それ"が見えたら、終わり。】(※ネタバレしていますのでご注意下さい)続編についてもちょっとだけ触れてます。

英語の響きってかっこいい。
英語圏の人達は自分たちの言語のことどう思ってるんだろう。
やっぱりかっこいいって思ってるんだろうか。
でも個人的にピエロ(クラウン・Clownの一種らしい)は日本語の『道化師』の響きの方が良いかもしれない。(日本語の方が哀愁を感じる)

『ピエロ』恐怖症の方は視聴はやめた方が良いかもしれない。
その他色々なトラウマが掘り返される、そんな注意が必要なジュブナイル青春活劇ホラー映画…"それ"がこの映画だと思った。

IT/イット"それ"が見えたら、終わり】
2017年|アメリカ|ホラー|ミステリー|2時間15分
『出演』
ビル/ジェイデン・リーバハー
ペニーワイズ/ビル・スカルスガルド
ベン/ジェレミー・レイ・テイラー
ベバリー/ソフィア・リリス
リッチー/フィン・ウォルフハード
スタンリー/ワイアット・オレフ
マイク/チョーズン・ジェイコブズ
エディ/ジャック・ディラン・グレイザー
ヘンリー/ニコラス・ハミルトン
ジョージー/ジャック・ロバート・スコット

『監督』
アンディ・ムスキエティ
『原作』
スティーヴン・キング
『音楽』
ベンジャミン・ウォルフィッシュ
『脚本』
チェイス・パーマー
キャリー・フクナガ
ゲイリー・ドーベルマン




前々から気になっていたタイトルだし、丁度夫の休日が雨の降る日だったので、一緒にみてみることにした。

ストーリーに所々感想を混ぜて書いたのでとても長文で読みにくい上、『2に当たる続編、THE_END』についての感想もちょっとだけ書いてます。(THE_ENDについてはネタバレ無しの感想ですが、好意的な感想では無いのでご注意下さい)

結構キツめなイジメの描写や家庭内の性的暴行を示唆する描写などがあるので、個人的に、視聴する際は気を付けたほうが良い作品だと感じました。


スティーヴン・キング原作の映画は【ミスト】【スタンド・バイ・ミー】、(スタンド・バイ・ミーに関しては原作も読んだ)しかみたことないけど、心の中の触れてほしくない部分も無理矢理こじ開けて、容赦なく無遠慮にベタベタと触ってくる感じがして苦手かもしれません。(褒めています)



1988年のある雨の日、アメリカの田舎町デリーに住む主人公ビルは、弟ジョージーに紙で船を作ってあげます。
紙で作った船に防水処理を施す為のワックスを取りに、ジョージーを地下室に行かせるのだけど暗くて不穏な雰囲気が漂っていて、怯えながら急いでワックスを手にビルの元に戻るジョージー


この地下室のシーンで(最悪な)フラグが立ったと思った。


ワックスを塗ってもらって船の名前も書いてもらって喜ぶジョージー
微笑ましい兄弟のやりとりが余計に切ない。(船には女性の名前を付けるんだよ、と言うビルの言葉がクライマックスで生きてくる)


早速兄の作ってくれた船を手に、雨の中外に出て道路を流れる水に船を浮かべ遊んでいる時、船が側溝に落ちてしまいます。


側溝を覗き込むジョージーの前には船を持った怪しいピエロ(ペニーワイズ)が現れ、伸ばしたジョージーの腕を噛みちぎって側溝へと引き摺り込んでしまう。(結構ショッキング)

あんな小さな子供になんてことを。(ちょっと引いた)


小さな子にも容赦がない、正直ここで視聴をやめようと思った。(まだ冒頭部分なのに!?)
ビルはジョージーの件は自分のせいだと責め続け、ジョージーの失踪を受け入れられず彼を探し続けています。


ジョージーの失踪から暫く経った街では、子供の失踪事件が相次いでいて、不穏な空気が街に漂ってる。(ホラー映画に出てくる田舎町独特のあの雰囲気。これは好き)


ビルは友達と共に自分たちのことをルーザーズ(負け犬)クラブと名付けています。(ちょっと自虐的だけど分かるよ、そういうの)


ルーザーズクラブのメンバーはビル、リッチー、エディ、スタン、後に加入することになる転校生のベン、ベバリー、マイク。



『ビル』ルーザーズクラブのリーダーで吃音症。弟が生きていると信じ探し続けている。弟の事になると冷静さを欠くこともあるが、正義感や勇気もありリーダー的資質もある。


『リッチー』大きな眼鏡をかけている。若干デリカシーの無い冗談や下ネタ発言も目立つピエロが嫌いなお喋りな少年。(嫌いじゃない、憎めない)


『エディ』喘息の少年。体が弱くいつも薬を持ち歩いている。異常に過保護な母親がいる。(後に母親が嘘をついてエディを自分の元に縛り付けていた事が分かる)


『スタン』ユダヤ系の少年。父親は厳格なユダヤ教の指導者。父親に言われ経典を勉強している、真面目で繊細な雰囲気の臆病な少年。(頭良さそう)


『ベン』ふくよかな体型の転校生。街の歴史や事件を調べている。映画最初の方で、彼の真っ白なサイン帳に初めてベバリーがサインをしたことで彼女のことを好きになる。不良達に目を付けられ、お腹にナイフで不良の名前を彫られるなど、執拗なイジメを受け逃げている時、ルーザーズクラブのメンバー達に助けられる。この傷の手当ての為にクラブのメンバーが薬を買いに行った薬局でベバリーに出会い、これが切っ掛けでベンも彼女もルーザーズクラブの仲間になる。(良いポエムを書く)



『ベバリー』クラスの女子達から酷い噂を立てられイジメを受けている。父親から性的暴行を受けていることが示唆されている。そばかす赤毛が特徴。学校のトイレでタバコを吸うなど問題行動はあるが、優しく正義感が強い。イジメられていたマイクを迷わず助けようと声を上げ行動したのが彼女。


『マイク』両親を火事で亡くし祖父の屠〇業を手伝っている。(穏やかな性格で羊を屠〇することが出来ない)不良達から差別的なイジメを受けていて、イジメられている所をルーザーズクラブのメンバーに助けられ仲間になる。


ルーザーズクラブのメンバー達はもれなく不良達に目を付けられている。(ティーンもののアメリカ映画にありがち)
不良達のイジメ方が酷くて見ているのが辛い。
ナイフでお腹に名前を彫るとか、反〇の拷問ですか!?犯罪じゃないですか!?
(このシーンでまた視聴をやめようと思った)


その不良のリーダー、ヘンリーも警察官の父親に虐待されているのか暴力に支配されていて、異常に父親を恐れています。(負の連鎖)


この少年が歪んだのは間違いなく父親のせいもあると思う。(彼は終盤に父親を刺〇してしまう。ペニーワイズに魅入られたような描写がある)



夏休み、ルーザーズクラブのメンバー達はジョージーの捜索や、それにまつわる街の子供の失踪事件など調べることになります。
(この街では27年周期で子供の失踪事件が起こっていた。穏やかなそうな雰囲気の街なのに治安悪過ぎ、不良怖いし。内面は不健全な街なのかもしれない)


そうする中で、彼らが普通の少年少女として遊ぶシーンは瑞々しくて平和で、夏が舞台の青春映画のようでちょっと切ない気持ちになりました。(こういうのもたまには良い)

青春映画には夏が似合う。
私も子供の頃こんな経験をしたかった



(川で泳ぐシーンで、泳ぐ予定があるなら水着を用意した方が良いと思った。少年達全員同じパンツだったのは、田舎町の同じ店で購入しているからなのか、こんなことを考えるのは野暮なのかもしれない。ベバリーも下着になって一緒に泳いでたけどこのシーン大丈夫なのかな?とちょっとハラハラした)


色々と失踪事件を調べていくうち、ルーザーズクラブのメンバー達にもペニーワイズの魔の手がジワジワ忍び寄ってくる。


ペニーワイズはメンバー達が 『自分自身が恐怖する"それ"』に姿を変えて現れ幻覚を見せ、恐怖に屈した魂を貪るから、ペニーワイズに打ち勝つには『自分自身の恐怖を克服する』しかない。


『恐怖を克服する』=大人になるための通過儀礼ということらしい。(大人になるの辛すぎ、スパルタ過ぎる)
多分今大人の私達も自然と克服して成長してきたのだろうと思います。(流石にこんなハードな生死が関わることは経験しなかったと思うけど)


ベバリーが浴槽付きの洗面所にいた時、排水溝から髪の毛が出てきてベバリーを縛り付け、大量の血が噴き出して浴室が血で染まった時には、ベバリーの父親にはそれが全く見えておらず、ベバリーが何に怯えているのか分かりませんでした。


この浴室のシーンはベバリーが大人の女性になることへの(女性の性として)恐怖(嫌悪感?)を表してるのかと思います。(血は経血を表現している?)


血で汚れた浴室はルーザーズクラブのメンバー皆で綺麗に掃除していたから、やっぱり子供だけには見えているようです。



浴室掃除のシーンでメンバー達がゴミを捨てに行き、ビルとベバリー2人になった時、部屋を出ていくベンが2人を気にしていたのがちょっとかわいそう。(ベンはベバリーのことが好きだから)


2人になった時、ベバリーがビルが書いたと思っている差出人不明(知らないうちにベバリーの鞄にいれられていた。後に差出人はベンだと分かる)の、愛のポエムが書いてある絵ハガキ(ラブレター)の事を、それとなく探りを入れるけど、ビルじゃないと分かったときの表現で察しました。(彼女はビルが好きなんだなって。実はお互い意識しあってて両想いらしい)


色々事件の事を調べていくうちに、街にある廃墟の中にある井戸がペニーワイズの住処だと分かり、ルーザーズクラブのメンバー達は廃墟の中へ。


ペニーワイズの仕掛ける、彼らのトラウマを刺激する恐怖に翻弄されるメンバーたち。


何とか応戦したもののペニーワイズは井戸の中へと去っていき、底が抜けた床から落ちたエディは腕を骨折(多分折れてた)してしまい、迎えに来た母親にエディとの付き合いを禁止されてしまうメンバー達。



こんな危険な目にあったのだから、この件からは手を引こうと言うビルとベバリー以外のメンバー。(私もこちら側の意見です。怪我人出てるし、これ以上の事が起こったら取り返しがつかない)


対して自分たちがペニーワイズを倒さないとまた27年後同じように被害者が出ると主張するビルとベバリー。(正しいけど、彼等がやる義務は無い)


意見は纏まらず仲違いしてしまいます。(ビルがリッチーを殴ってしまったのが決定打か。仲間割れはペニーワイズの思う壺)


そんな中、ベバリーが父親に例のラブレターの件を問い詰められ(問い詰め方がもう異常)、父親をトイレの蓋で殴ってしまう。(恐らく〇亡したかと思われる)直後ベバリーはペニーワイズに拐われる。(悪いことは重なるって言うけどこれは酷い、最悪)


ベバリーがペニーワイズに連れ去られたと知ったビルは、ルーザーズクラブのメンバー達を再び収集します。


エディが薬局に薬を取りに行ったとき、真っ白なギブスを見た薬局の娘には、ギブスに『ルーザーズ』と書かれたり(エディはLOSERのsをvに書き換えてたけど)、受け取りにきた薬に何の効果も無いことも教えてくれました。(教えたというかぶちまけた感じ)



アメリカはギブスに友人達がメッセージ寄せ書きする文化がポピュラーなのだろうか。
友達のいない私には辛い文化です。(日本で良かった)



ギブスにLosers…もとい、Loversと書かれたギブス姿のエディも駆けつけます。


母親に自分を守ってくれるのは母親じゃなくて友達だ(確かこんな台詞を言っていた)と強く宣言した所は熱いものが込み上げます。


ルーザーズクラブのメンバー全員で廃墟の中の井戸の底へ降りるとき、最後井戸底に降りる番になったマイクに不良のリーダー、ヘンリーが襲いかかって来るハプニングがあります。(この時点でヘンリーはペニーワイズに魅入られていた様子)


井戸の底は下水道と繋がっている最深部で、宙に浮いている沢山の行方不明の子供達とベバリーを発見。(SF映画っぽい)


急いで下ろした放心状態のベバリーの意識を戻す為、ベンがキスをするとベバリーの意識が戻る。(キスして意識を戻そうとする考えを思いつく所が、欧米感がある。ここでベバリーはラブレターの送り主が、ベンだと気付きます。気付いてもらえて良かった)


しかしまだ最後の試練が待っています。


ビルの前にはジョージーの姿の"それ"が現れます。
序盤の『船には女性の名前を付ける』と言うビルの台詞がここで生きる。


まやかしを見破ったビルは、屠〇銃でジョージーの姿をした"それ"を撃ち抜くとペニーワイズの姿に"それ"は姿を変える。


恐怖を克服したメンバーたちは、心を一つに皆でペニーワイズと戦います。(皆でボッコボコにしていた)

瀕死状態になったペニーワイズは穴の中に逃げるように消えていきます。(完全に倒せた訳では無いらしいが、撃退には成功した)


浮かんでいた子供達も降りてきました。(安らかに眠れることを祈りながら)


ビルがその場所でジョージーのレインコートを見付けたシーンは堪らなかったです。




夏休みが終わった頃、集まったビル達ルーザーズクラブのメンバーは27年後、再びペニーワイズが現れた時は再度集まることを誓います。(それぞれ誓いの印を刻みながら)


(このシーンで、次回作に向けてあるフラグが立ったことを、私は後に知ることになります)


皆去っていく中、その場に残った互いに意識しあうビルとベバリー。
明日ポートランドに旅立つベバリーにビルはキスをする。




余韻を残した綺麗な終わり方だと思いました。
原作は読んだことないけど、もっとエグい描写があるみたいで戦慄しています。(こういうエグさは苦手)


子役の子供達が皆演技が上手くて良かった。
ペニーワイズの不気味さも良かった。(やっぱりピエロは怖いと再確認できた)


1番はルーザーズクラブのメンバ達ーが、楽しそうにしているのを見られただけで、この映画をみて良かったと思いました。



そして…
この映画を見た次の日に今作の続編【IT/THE_END】をみたんだけど、個人的には見ないほうが良かったかもしれません。
思い出は綺麗なままにしておきたかった。

冒頭から胸糞なシーンで始まり、やっぱりここでみるのをやめておくべきだった。
映画には『納得できる終わり方』と『納得できない終わり方』があるけど、この映画は個人的に、『納得できないけど何とか自分なりに無理矢理納得させた』状態です。


ただあの頃のルーザーズクラブの皆が、揃って楽しそうにしているシーンを入れてくれた事には全力で感謝しています。

そのシーンはとても綺麗で切なくて良かったです。(自然と涙がこぼれました)

あくまで私個人の感想なのでこの続編を否定しているわけでは無いです。